これから述べることは、私が知人の紹介で暴力団と知らずに債権取立てを依頼し、逆にその暴力団からたかられ、恐怖に陥り、暴力団の真の姿と恐ろしさを目のあたりにした状況と、これに対してとった行動であります。
事の起こりは10年位前にさかのぼります。知人の自営業A氏から、「事業資金500万円をB金融機関から借りるので、この債務の連帯保証人になってくれ」と頼まれ、A氏の親戚C氏とこれを引受けました。
ところが、返済期限を過ぎてもA氏が返さないので、金融機関から私達連帯保証人に返済要求があり、C氏と等分してA氏の債務金額を返しました。それで、私が返済した金は当然A氏に対し求償の権利がありますので、再三A氏に返してくれるよう頼みましたが、どうしても返してくれません。
それである日、知人のD氏を訪ねた時にこのことを話したところ、D氏が、「私が知った人が中に入ればすぐ解決するから頼んであげる。」と言うので、渡りに舟と思い気やすく取立てを頼んでもらいました。
勿論、その人物が暴力団であるなど知る由もありません。その人物は、あとで暴力団I会系のEという暴力団であることが分ったのです。
EはA氏に対して、早速、私が負担した金額に金利分を加算して300万円返済とし、50回分割で払うよう話をつけてくれました。
この時までは暴力団とは知らず、本当に力になってもらいありがたい人だと思い、早速E氏の自宅を訪ねて、現金30万円と菓子折を謝礼としてE氏に渡しました。これは、私の考えで常識として充分の礼と思ったのです。Eも黙って受け取りました。そうして盆暮にも贈物までしたのでした。 |